不可解なショー
2023-03-20 03:21:38
Crystal-clear Ice
author : butterflyfish
3月11日
3月11日は東日本大震災から12年目の日。日本各地で追悼式などが行われました。
フィギュアスケート界では羽生結弦氏が出身地である宮城県で震災をテーマとしたアイスショーを開催しました。ショーのタイトルはNotte Stellata。彼がエキシビションで使っていた曲の名前と同じです。公式サイトにこんなメッセージがあります。
notte stellataはイタリア語で”満点の星”を意味する
2011年3月11日、東日本大震災
宮城県仙台市で震災にあった羽生結弦は、その夜、家族で避難所に向かった
崩れた建物、破裂した水道管ー
避難所への道中に目にしたのは、変わり果てたふるさとの姿だった
絶望感の中、空を見上げるとー
そこには、満点の星が輝いていた
震災で起きた停電で、普段は街の明かりに遮られて見えない美しい星が輝いていた
美しく輝く満点の星ー羽生は”希望の光”を感じたという
このショーのタイトルは notte stellata
あの日被災地を照らした満点の星のように
”希望”を発信し人々が少しでも笑顔になれるきっかけになればーそんな思いをこめて
日程
3月10、11、12日(3公演)
会場
セイスイハイムスーパーアリーナ(グランディ21)
キャスト
羽生結弦 内村航平(ゲスト)
ジェイソン・ブラウン シェイリーン・ボーン 宮原知子 鈴木明子 田中刑事
無良崇人 本郷理華 ビオレッタ・アファナシバ(フラフープ)
主催 日本テレビ ミヤギテレビ
企画 日本テレビNews Every.
協賛 雪肌精 東和薬品 JTB
チケット
15,000円(B席)~29,000円(プレミアム席)
一番席数の多そうなS席は20,000円です
他にHuluの配信(1公演4,000円、通し11,000円)
LIVEビューイング(1公演4,000円)
グッズ販売(防災グッズなど)
最大の目玉は羽生氏と体操のレジェンド内村航平氏との共演ですね。キャストは10人。単独ショーと比べたら多い(当たり前だ)ですが、通常のアイスショーと比べると少ないです。内村氏の演技のための設営が必要になりますが、ニュース映像などを見る限りそれほどコスがかかっているようには見えません。チケットは高額だし、配信、ライビュ、グッズも売れるし、かなりの収益が見込めると思われます。
震災ショーなのにチャリティではないNotte Stellata
気になるのはこの収益がどこへ行くのかということです。
震災から12年め(多くの人にとって13回忌)の日に被災地で開催される震災をテーマにしたショーですから、常識的に考えられるのはチャリティーですよね。
ところが、このNotte Stellataにはどこにも「チャリティ」の記載がありません。出演者がノーギャラであるとも書かれていないし、収益の一部を寄付するとさえ書かれていないのです。
不思議ですね。いったいこれはなんのためのショーなんでしょう?↑に載せた公式ホームページのメッセージにこうあります。
あの日被災地を照らした満点の星のように
”希望”を発信し人々が少しでも笑顔になれるきっかけになればーそんな思いをこめて
つまり”お金”ではなく”希望”を被災地の人々に与えるショーだと。
震災から12年。もう寄付を集める時期は過ぎたのかもしれません。復興税を防衛費に流用しようなどという話が出てくるぐらいですからお金は足りているのかもしれない。でも”希望”を与える時期でもないと思います。人々を笑顔にしたいのなら地元の人を対象に例えばショーに無料招待とかスケート教室や(内村さんの)体操教室とか出来ることはたくさんありますが、そういう報道は今のところありません。3日間、彼のファンが現地で食事や宿泊などでお金を落とすことで経済効果はあるかもしれません。でも、それなら3月11日である必然性も羽生結弦である必然性もない(いつであってもどんなイベントでも人が集まれば経済効果はある)と思います。
羽生氏に関しては「被災地に多額(億を超える)の寄付をしてきた」とか「東京ドーム公演で20憶円の売上げ」などという報道がなされています。
これが事実ならNotte stellataがチャリティショーでないのは不可解ではありませんか?他で大儲けしているのなら震災をテーマにしたショーで稼ぐ必要はないですよね?羽生氏だけでもノーギャラで出演して収益は全部寄付したっていいはずです。
なぜこんな不可解なことが起こるのか。それは報道のどこかに嘘があるからだと思います。
彼が被災地に寄付をしてきたのは本当ですが、億を超えるというのは嘘。羽生氏本人による寄付と彼が協力したイベントからの寄付を合算して億を超えるとファンが言っているのをそのまま記事にしただけです。イベントでのお金の出どころは彼自身ではなく主に彼のファン。もちろん彼の協力がなければ出来ないことですので彼が貢献したのは間違いないと思います。
これまで彼の故郷でもある被災地のためにチャリティに協力してきた人がなぜ今回はしないのか。それは寄付をする余裕がないからではないでしょうか。
なぜ余裕がないのか。これは私の個人的な推測ですが、東京ドーム公演にコストがかかりすぎたせいだと思います。
ドーム公演(GIFT)は採算度外視のプロモーション
ドーム公演のチケットは完売、入場者数は主催者発表で35,000人と報道されましたが、30,096人と発表されたプロレスのイベント(アリーナ席あり)より明らかに少ない(スタンドは同じくらいだがアリーナが無観客のため)ので35,000人はかなり「盛った」数字だと思われます。実際の売り上げはわかりません(招待客もかなりいたようなので)が、報道よりもかなり少ないのは間違いないでしょう。単独公演だと強調していましたが、オーケストラやダンサーも入っていましたし、たった一公演のために3~4日かけて氷を張る、ドームの設備を使わずわざわざ大きなスクリーンや大きな手のオブジェ?を用意するなど現場でもかなりコストがかかっているように見えました。
公演自体のコストより大きいと思われるのはメディアを使ったプロモーションの費用です。広告(TVCM、街頭広告)も報道(テレビ、新聞、ネット)も不自然なほど過剰でした。
CMはショーそのものではなくディズニー+(配信サービス)の宣伝でしたが、ショー直前の1週間ぐらいに集中して(しつこいと感じるぐらい)地上波複数チャンネルで流されました。これで「羽生結弦が」「東京ドームで」「単独ショーをする」ということがテレビを見る一般人に知れ渡ったと思います。
さらに「そのショーは大人気で内容も素晴らしく売り上げもすごかった」というかなり誇張された報道。
CMも報道もそれを見聞きした一般人に「羽生結弦は東京ドームで単独ショーが出来るぐらいすごい人なんだ」と思わせられれば大成功です。
なんのためのプロモーション?プロに転向した羽生結弦の商品価値を上げるためでしょうね。
プロローグはドーム公演のための集金イベント?
一方、ドーム公演に先駆けて行われた単独公演プロローグは収益を出来るだけ上げる仕様に見えました。キャストは羽生氏一人(+三味線の方)、演出も本人。海外からもキャストを呼んでギャラ+交通費、滞在費を払う一般的なアイスショーと比べて明らかにローコスト。それなのにチケットは高額。
プロローグとギフト(ドーム公演)の共通点は
・羽生結弦プロデュース
・羽生結弦単独公演
・羽生結弦の個人事務所(Team Sirius)主催
というところです。プロローグの方にはTeam Siriusの他にテレビ朝日とCICも入っていますが、ギフトの方はTeam Sirius とGIFT製作委員会のみ。成功すれば事務所の利益に失敗すれば損失になります。Team Siriusの稼ぎ手は羽生結弦氏ただ一人。現役時代からは想像もつかないほど今の羽生氏は働き者です。そこに余裕は感じられません。
ドーム公演で億単位の収益が見込めるのなら、同じ内容で公演数を増やせばいいですよね。わずか数か月の間に同じ人が二種類の単独公演をやるというのはあまりにも不自然です。これは私の推測ですが、プロローグはドーム公演実現のための資金稼ぎのイベントだったんじゃないでしょうか。どちらも事務所の主催ですから、元々2つセットで企画されていたんじゃないかと思います。ドーム公演はプロモーション目的で赤字覚悟、その分をプロローグで稼いで補うという計画です。
プロローグとギフトを合わせた収支が実際のところマイナスなのかプラスなのかトントンなのかはわかりませんが、報道にあったようにドーム公演で20憶円もの売り上げがあったとしたら大幅な黒字ですよね。もしそうなら震災をテーマにしたショーでギャラ(座長なので多額だと思われる)をもらって寄付をしないということはありえないし、出たくもないショー(SOI)に出る必要もなかったんじゃないかと思います。
気になるのは今後このようなショーが継続されるかということですね。
私の推測が当たり(ドームショーは赤字)ならドームショーは今回限りでしょうね。外れ(ドームショーは大幅黒字)なら公演数を増やして継続されるんじゃないでしょうか。
不可解なショー - Crystal-clear Ice 魚拓